「VRの世界って、専門家や一部のプロしか作れないと思っていませんか?」
かつて私もそう思っていました。プログラミング経験は一切なく、モデリングも少し学んだきり。そんな私が、自分だけの理想の空間を創造するという夢を追いかけ始めました。
実は今、私たちのような個人でも、無料のツールだけでVR世界を創造できる時代なんです。
私と同じような完全未経験者のあなたが、VR開発の「最初の一歩」を迷わずに踏み出せるよう、 私が実際に試した環境構築からプロジェクトの初起動まで、具体的な手順と注意点を解説します。
本編 動画についてはページ下に動画リンクがあります。
まずはこの記事を読み進めていただけると嬉しいです。
準備編:VR開発を始めるための最初の3ステップ

まずは世界を創造するための土台作りです。物理的な機材の準備から始めましょう。
ステップ1:最強の相棒「Meta Quest 3」を選ぶべき理由
VRの世界へ飛び込むための最初の相棒として、私が選んだのは今話題の「Meta Quest 3」です。 理由はシンプルで、一台で何でもこなせる優等生だから。
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高いスペック: 高画質なディスプレイで、圧倒的な没入感を体験できます。
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柔軟な接続性: 単体でも使え、PCに繋げば超高性能なVRゴーグルにもなります。
これから制作だけでなく、ゲームプレイや動画編集まで考えている私にとって、これ以上ない選択でした。
ステップ2:【最重要】あなたのPCは大丈夫?推奨スペックを確認しよう
本格的なVR開発を行うには、ヘッドセットだけでなくPC側にも相応のパワーが求められます。これを怠ると、「ソフトが動かない…」なんてことも。
必ず公式サイトで推奨スペックを確認し、 ご自身のPC環境が条件を満たしているか事前にチェックしておきましょう。これが快適なVR開発への第一の鍵です。
ステップ3:安定性を選ぶ「有線接続」とその注意点
Meta Quest 3はワイヤレス接続も可能ですが、私はあえて「有線接続」を選びました。
【メリット】通信が安定する 最高の画質と速度を最大限に引き出し、遅延のない環境で集中したいなら有線が最も確実です。
【デメリット】ケーブルが邪魔になる プレイ中に体に絡まったり、椅子のキャスターで踏んでしまったり…。没入感が削がれる瞬間があるのも正直なところです。
まずは安定性を重視し、慣れてきたらワイヤレス環境を試すのが良いかもしれません。
知識編:なぜ「Unreal Engine」が最強のツールなのか?

壮大なゲームの世界や、実写と見紛うほどの映画のような映像。その多くを生み出しているのが、私たちがこれから使う「Unreal Engine」です。
その魅力は、何と言っても圧倒的なグラフィック表現力。
さらに、プログラミング知識がなくても、パズルのように機能を組み立てられる**「ブループリント」**という素晴らしいシステムがあります。最高のグラフィックと初心者にも優しい設計。この最強のツールが、個人なら誰でも無料で始められます。
実践編:初心者が絶対ハマる!2つの必須設定でトラブル回避
さあ、いよいよプロジェクトの起動です!しかしその前に、私が実際に苦労した「トラブルの種」を先に取り除いておきましょう。ここをチェックするだけで、未来の自分を救えます。
設定1:エンジンの「バージョン管理」を徹底しよう
これは非常に重要です。
「プロジェクトを作成した時と、必ず同じバージョンのエンジンで開く」
これを徹底してください。違うバージョンで開いてしまうと、テクスチャが消えるなど、予期せぬ不具合が起こります。(私もこれでデータを飛ばしました…)
設定2:Meta Quest Linkの「2つのスイッチ」をONにする

PCにインストールしたMeta Questアプリを開き、「設定」→「一般」タブに進んで、以下の2点を確認してください。
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「提供元の不明のアプリ」をON(青色)に → これで、Unreal Engineで作った自作アプリを動かす許可が出ます。
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「OpenXRランタイム」をアクティブに設定 → 「Meta Quest Linkをアクティブに設定する」ボタンがクリックできないグレーの状態になっていればOKです。
この2つを確認すれば、準備は万端です!
まとめ
お疲れ様でした!今回は、VR開発の第一歩として、
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機材の準備(Quest 3、PC、ケーブル)
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Unreal Engineの魅力と基本
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トラブルを避けるための2つの必須設定
をご紹介しました。この基礎をしっかり押さえることが、今後のスムーズな開発に繋がります。焦らず、一つひとつ確実に進めていきましょう。
次のステップへ
ついに、目の前に無限の可能性を秘めた空間が広がりました。
次回は、いよいよこの何もない世界に「最初のオブジェクト」を配置し、簡単なインタラクションを加えていきます。
あなたが作ってみたいVR世界はどんなものですか? よろしければ、ぜひコメントで教えてください!
それでは、また次の創造の世界でお会いしましょう。