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【UE5 VR開発 BP編#1】VRゲーム開発時には、これはOFF!VRawnのYaw設定でキャラクターが勝手に動くを解決!

【UE5 VR開発 BP編#1】VRゲーム開発時には、これはOFF!VRawnのYaw設定でキャラクターが勝手に動くを解決!

こんにちは!VR開発ギルドのマスター見習いの クリエッタです。

VR開発の冒険を始めたばかりのあなた。「Unreal Engine(アンリアルエンジン)」を開いて、キャラクターの設定をいじっていて、ふと手が止まる瞬間がありませんか?

「Use Controller Rotation Yaw」

…なにこの呪文?

「とりあえずチェックを入れとけば動くでしょ!」って思いがちですが、実はその**「とりあえずON」**が、あなたのVR体験を悪夢に変えているかもしれないんです。

  • キャラクターが勝手に回転する

  • 視点(頭)と体(キャラクター)がズレて気持ち悪い

  • そして、最悪の敵…「VR酔い」

「設定の意味なんて、調べればわかるよ」 「専門用語を理解すればいいんでしょ?」

そう思うかもしれません。ですが、**それが出来ればそもそも悩んでないんだよね…**って思いませんか?

この記事は、そんな「専門用語アレルギー」のあなたのための「翻訳書」です。 この記事を読み終える頃には、あなたは「Yaw」の呪文を完全に理解し、VR酔いを引き起こさない快適なキャラクター設定を、自信を持って行えるようになっています。

 

結論:「Use Controller Rotation Yaw」は視点と体を連動させるか決めるスイッチ

いきなり結論からいきましょう。

「Use Controller Rotation Yaw」とは、 「プレイヤーの視点操作(コントローラーやマウス)による『左右の回転』を、キャラクター本体(Pawn)にも適用しますか?」 という意味のスイッチです。

「…まだよくわからない」 大丈夫です。まずは、この「Yaw(ヨー)」という言葉から解き明かしていきましょう。

 

まずは「Yaw・Pitch・Roll」の3兄弟を知ろう

ゲーム開発、特に3D空間では、回転を表すためにこの3つの言葉が必ず出てきます。難しく考えず、「首の動き」で覚えてしまいましょう。

  • Yaw (ヨー)左右の回転

    • 首を左右に振る「いやいや」の動き。

  • Pitch (ピッチ)上下の回転

    • 首を上下に振る「うんうん」の動き。

  • Roll (ロール)傾きの回転

    • 首を横にかしげる「あれ?」の動き。

今回の設定「Use Controller Rotation Yaw」は、この3兄弟のうち、**「Yaw(左右の回転)」**にだけ関係する設定だ、ということが分かりましたね。

 

なぜVR開発では「OFF」が鉄則なのか?

 

ここからが最重要クエストです。 通常のPCゲーム(TPSなど)では、この設定は「ON」にすることが多いです。 ですが、**VR開発(VRPawn)では、原則として「OFF」**にします。

なぜでしょうか? それは、VRならではの「特別な操作方法」が関係しています。

 

デメリット:ONにすると「意図しない回転」でVR酔い発生

通常のゲームでは、視点を左右に動かすのは「マウス」や「コントローラーの右スティック」ですよね。

ですが、VRではどうでしょう? プレイヤーは**「自分自身の頭(ヘッドセット)」**を物理的に動かして、視点を操作します。

もし、ここで「Use Controller Rotation Yaw」をONにしてしまうと…

  1. プレイヤーが右スティックを倒す(コントローラー操作) → スイッチがONなので、キャラクター本体が回転しようとします。

  2. プレイヤーが自分の頭を左右に振る(ヘッドセット操作) → VRカメラが当然、視点を回転させます。

この**「二重の回転操作」**が、最悪の事態を引き起こします。

プレイヤーはただ頭を少し動かしただけなのに、スティック操作の回転も加わって、キャラクターが「グルン!」と意図しない速さで回転してしまうのです。 この「視覚と三半規管のズレ」こそが、VR酔いの最大の原因です。

 

メリット:OFFで「視点と体の分離」を実現

 

では、「Use Controller Rotation Yaw」をOFFにするとどうなるでしょう。

  • プレイヤーが右スティックを倒しても、キャラクター本体は回転しません。(スイッチがOFFだから)

  • プレイヤーが自分の頭を左右に振ると、視点(カメラ)だけが回転します。

「あれ?それだと体はずっと正面を向いたままじゃない?」 その通りです。だから、VRゲームでは「体を回転させる操作」を別で作ってあげる必要があります。

  • スナップターン:右スティックを左右に倒したら、体をカクンと45度回転させる

「Use Controller Rotation Yaw」をOFFにすることは、「頭(視点)の動き」と「体(キャラクター)の動き」をあえて分離させるために必要な、重要な設定なのです。 これにより、開発者はプレイヤーが酔わないように、体の回転方法を意図的にコントロールできるようになります。

 

(比較)通常のゲームではどう使うの?

VRではOFFが基本だと分かりましたが、せっかくなので通常のPCゲームでの使われ方も見てみましょう。この違いを知ることで、あなたの理解はさらに深まります。

 

3人称視点ゲーム(TPS)の場合

 

フォートナイトや原神のような、キャラクターの背中を追いかけるゲームを想像してください。

  • 設定:Use Controller Rotation Yaw = ON

この場合、プレイヤーがマウス(視点)を左右に動かすと、キャラクターもその方向を向きますよね。視点と体が常に連動しています。もしこれがOFFだったら、視点だけ動いてキャラクターはずっと正面を向いたまま…という、とても操作しにくいゲームになってしまいます。

 

1人称視点ゲーム(FPS)の場合

 

これは少し複雑ですが、

  • カメラ(視点):Use Controller Rotation Yaw = OFF

    • プレイヤーはマウスで360度自由に見回せます。

  • キャラクター本体:Use Controller Rotation Yaw = ON

    • プレイヤーがマウスを左右に動かすと、視点(カメラ)だけでなく、キャラクター本体もその方向を向きます。

このように、何を回転させたいのかによって、このスイッチを使い分けるのが基本です。

 

まとめ

 

今回のクエスト「Use Controller Rotation Yawの討伐」、お疲れ様でした! 最後に、冒険の書に記すべきポイントをまとめます。

  • Use Controller Rotation Yaw は、「視点操作による左右回転(Yaw)」を「キャラクター本体」に連動させるかのスイッチ。

  • 「Yaw」は「いやいや」の左右回転。「Pitch」は上下、「Roll」は傾き。

  • VR開発(VRPawn)では、ヘッドセットの動きとコントローラーの動きが**二重に操作(競合)するのを防ぐため、この設定は「OFF」**にするのが鉄則。

  • 「OFF」にすることで**「視点(頭)」と「体」の動きを分離**でき、VR酔いを防ぐための専用の回転方法(スナップターンなど)を実装できる。

今回は「Yaw」という一つの設定に注目しましたが、VR開発にはこうした「知っているか、知らないか」で体験が大きく変わる設定がたくさんあります。

ABOUT ME
クリエッタ
プログラミングも3D制作も全くの未経験。 でも、「自分だけのVR空間を作れたら最高に楽しいだろうな…」 そんな漠然とした憧れだけで、Unreal Engineの世界に飛び込んでみました。 このブログは、そんな私が「次世代クリエイター」という大きな目標に向かって、日々試行錯誤する様子をありのままに記録する**『成長日誌』**です。 きっと、たくさんの失敗や遠回りをすると思います。 でも、その一つ一つが、同じようにこれからVR制作を始めたいと思っている誰かの役に立つかもしれない。そう信じて、学んだことを全てシェアしていきます。 一緒に学んで、一緒に感動できる仲間が見つかったら嬉しいです。 どうぞ、よろしくお願いします!
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